無意識の構造⑧公平性の原理 — なぜ人は損をしてでも「不公平」を拒むのか

  • URLをコピーしました!
目次

人は、損を受け入れることがある。

ただし条件がある。

それは——
公平であること。

たとえ自分の取り分が少なくても、
納得できる理由があれば受け入れられる。

だが反対に、
どれほど利益があっても、
不公平だと感じた瞬間に心は強く反応する。

怒り。
違和感。
拒絶。

ときに人は、
自分も損をすると分かっていながら、
不公平な取引を拒む。

それが
公平性の原理である。

私たちは「得」だけでは動かない

もし人が利得だけで動く存在なら、
多少の不公平は受け入れるはずだ。

利益が上回るなら合理的だからだ。

だが現実の私たちは、そうならない。

不公平は、心のどこかを静かに傷つける。

それは単なる感情ではない。

尊重されていないという感覚。

人は利益だけでなく、
「どう扱われたか」を見ている。

公平性とは、条件の問題であると同時に、
関係の問題でもある。

そこには一つの願いが含まれている。

対等でありたい、という願いだ。

不公平は、主体を揺らす

不公平を感じたとき、
人は単に損をしたとは感じない。

もっと深いところで、
自分の立ち位置が揺らぐ。

軽んじられているのではないか。
利用されているのではないか。
尊重されていないのではないか。

この感覚は、
選択の自由そのものを脅かす。

だから人は拒む。

それが非合理に見えたとしても。

ここに、人間の特徴がある。

私たちは——
得だけでなく、尊厳を守ろうとする存在である。

凪は、「正しさ」を争う場所ではない

公平性をめぐる衝突は、
しばしば「どちらが正しいか」という形を取る。

だが凪がもたらすのは、
勝敗ではない。

一度だけ立ち止まり、見つめる余白だ。

私は何に傷ついたのか。
何が脅かされたと感じたのか。
私はどんな関係を望んでいるのか。

この問いが戻るとき、
反応は少しだけ静まる。

凪とは——

尊厳を見失わずに選ぶための状態である。

人は合理的ではない

——だからこそ、共に生きることができる

合理性だけで構成された世界では、
公平性は重要ではないかもしれない。

だが人間の世界では違う。

私たちは感情を持ち、
意味を求め、
対等であることを望む。

ときに得を手放してでも、
その感覚を守ろうとする。

それは未熟さではない。

人間らしさに近い。

私たちは——

利得だけでなく、尊厳を守るために選ぶ存在なのだから。

凪とは、安全な場所ではない。

尊厳を保ったまま、
なお選び続けるための静かな足場である。

結びに

ここまで、無意識の構造を見てきた。

多数に影響され、
権威に委ね、
一貫性に縛られ、
関係に応じ、
希少性に急かされ、
好意に揺れ、
利得を求め、
公平性を守ろうとする。

私たちは決して、完全に自由ではない。

だが——
それでもなお。

立ち止まり、気づき、問い直すことができる。

だから人は、

選ぶことができる。

凪とは、
その力を思い出すための場所である

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

感情が揺れやすく、思考が止まりやすい時代に、
立ち止まり考え続けるための“凪”をつくる発信をしています。

説得しない。
ただ、考え続けられる場所に立つ。

人は、選ぶ存在である。

—— 凪=選択可能性が最大の認知状態

目次